赤ちゃんの睡眠や授乳で悩んで調べてみると、よく出てくるのが、巷で「ジーナ式スケジュール」とか「ジーナ式メソッド」と呼ばれる育児方法です。
口コミやネット検索などで一度は目にしたことがある人も多いのでは?
これは、イギリスのカリスマ・ナニー(nanny、乳母)、Gina Ford(ジーナ・フォード)さんの著書、『ジーナ式 カリスマ・ナニーが教える 赤ちゃんとおかあさんの快眠講座【改訂版】』(朝日新聞出版、2020)に基づくものです。
我が家は、双子を同時に寝かせたくて、この本を手に取ってみました。
▼ジーナ式のネントレ本の詳細レビューはこちら。
双子の場合、それぞれの赤ちゃんのペースにまかせて寝たい時に寝たいだけ寝かせていたりすると、お昼寝時間や授乳時間が2人ずれずれになってしまって、結果双子ママはまとまって休む時間が取れなくなって、まともに眠る時間さえ取れなくなっていってしまいます。
片方が寝たと思ったら片方が起きるという無限ループ・・・
双子が交互にずっと泣いてる24時間・・・
こりゃー大変だ!
・・・と、改めていろいろと調べてみた結果、双子のお昼寝と授乳を同じタイミングで済ませるため、ひいては、ママの休む時間を確保するため、話題のジーナ式を試してみることにしました。
この本はそれなりに分厚くて読みにくいので、詳細はBookレビューの方で記すとして、今回は「ジーナ式ってどんなもの?」と関心を寄せている人に向けて、ジーナ式のポイントと我が家の実践例をかいつまんでお伝えしたいと思います。
- ジーナ式について知りたい人
- 赤ちゃんがなかなか寝てくれなくて困っている人
- 赤ちゃんがお昼寝からすぐ起きてしまって困っている人
- 双子を同時ねんねさせたい人
- 母乳育児を成功させたい人
- イギリスのカリスマ・ナニー、ジーナ・フォードさんについて
- ジーナ式スケジュールのポイント
- ジーナ式の授乳のポイント
- ジーナ式の双子のでの実践例
ジーナ式とは
Gina Fordさんについて
このジーナ式を提唱しているのは、イギリスのカリスマ・ナニー(nanny、乳母)と呼ばれるGina Ford(ジーナ・フォード)さんです。
日本ではあまりなじみがないかも知れませんが、いわゆる乳母さんです。
彼女の長年の乳母の経験から、たくさんの赤ちゃんをお世話してきて分かった知識を集約したものが、ジーナ式メソッドになります。
ジーナ・フォード Gina Ford
『ジーナ式 カリスマ・ナニーが教える 赤ちゃんとおかあさんの快眠講座【改訂版】』
1960年、イギリス生まれ。
その実践に徹したメソッドは口コミで徐々に広がり、新版を含めて100万部のベストセラー育児書となる。
世界各地の三百を超える家庭でカリスマ・ナニー(乳母)として12年間働いたあと、1999年に『赤ちゃんとおかあさんの快眠講座』を出版。
夜泣きのひどかった赤ちゃんを、あっという間に夜通し眠る子に変身させる魔法のメソッドとして知られ、多くの悩める母親のバイブルとなっている。
ジーナ式スケジュール
ジーナ式は内容てんこ盛りで、出産準備やお昼寝、母乳、ミルク、搾乳、離乳食、よくあるトラブル・・・等、様々な切り口から記されているのですが、このジーナ式の趣旨を一言で要約すると、次のようになります。
ジーナ式とは・・・
赤ちゃんがおっぱいを飲みたい時に飲みたいだけ飲ませ(ディマンド・フィード)、寝たい時に寝たいだけ寝かせるのではなく、「赤ちゃん主導」ではない「ママ主導」の生活リズムへと、赤ちゃんの授乳・睡眠・遊びのスケジュールを整えていくこと。
ジーナ式の目的
ジーナの著書では飛び飛びにいろいろなことが書かれていますが、先にふれたように、ジーナ式の目的は、「赤ちゃんの生活リズムを整えること」に尽きます。
私のスケジュールの目的は、健康的な睡眠と食事の習慣を長いスパンで身に付けさせること(p.378)
『ジーナ式 カリスマ・ナニーが教える 赤ちゃんとおかあさんの快眠講座【改訂版】』
ジーナ式のポイント
スケジュールのポイント
生活リズムを整えるための手段がジーナ式スケジュールであり、それを実践する具体的方策がジーナ式メソッドであり、生活リズムがきちんと整うと、授乳も睡眠もうまくいく、という理屈です。
このジーナ式を実践する上でのポイントがいくつかあるのですが、例えば以下のような点です。
- 生まれてすぐの時期から、「授乳」「睡眠」「遊び」の時間の区別をつけること(p.134)
- 母乳育児を成功させるポイントは「搾乳」(p.82)
(『ジーナ式 カリスマ・ナニーが教える 赤ちゃんとおかあさんの快眠講座【改訂版】』より)
スケジュールについては、月齢ごとに詳細に記されているので、まずはその通りにやってみるのがいいと思うよ!
授乳のポイント
授乳については、とにかく搾乳がポイントで、ジーナ式では産後の早い段階からちょうどいい量を搾乳する(=搾乳しすぎない)よう具体的に指示があります。
その“ちょうどいい量”というのがなかなかに難しいところではあるのですが、ジーナ式の著書の中で月齢ごとに細かく「◯時に◯ml搾乳します」と指示があります。
個人差はあるでしょうから、後々調整していくとしても、とりあえずはそれに従ってみるのがいいと思います。
ジーナ式メソッド
細かい点については、こういうことに困ったら、こういうメソッドを試してみよう!ということが随所に書かれています。
例えば、以下のようなものです。
『ジーナ式 カリスマ・ナニーが教える 赤ちゃんとおかあさんの快眠講座【改訂版】』(2020)
- コア・ナイト・メソッド:赤ちゃんに夜間しっかり眠ってもらう方法(pp.338-340)
- クライ・ダウン・メソッド:疲れすぎて返って眠りにつけない赤ちゃんを寝かせる方法(pp.371-372)
「今こういうことに困っている」、「こういうトラブルを解決したい」など、目的がはっきりしている場合は、その目的に合致したメソッドをピックアップしてとりあえず試してみる、というのも1つの手!
例えば、「第7章 1年目によくあるトラブル」に「母乳の出をよくするためのスケジュール」というものがあります。
この6日間のスケジュール通りに授乳を整えていくと、第3子の育児の際には大きな効果がありました。
私が試してみて良かったと思うトラブルシューティングの1つです。
ジーナ式の実践
私が初産の双子の時は、産後しばらくしてからジーナ式を導入しました。
第3子の末っ子の時は、産後すぐから導入しました。
実際に試してみて、双子の時はネントレに、末っ子の時は母乳育児に、絶大な効果があったと思っています。
私が初産(DD双胎)の時は陣痛から2晩かかったため、産んだ後はもうくたくた・・・。
産後も双子育児に忙殺されて疲れ切っていて、ほとんど母乳が出ず、結果、混合育児(ほぼミルク)となってしまいました・・・。
産後しばらくしてからジーナ式を知り、導入しました。
母乳育児はその時点でもう維持期に入ってしまっていて手遅れでしたが、ネントレはそこからでも比較的成功しました。
ジーナ式スケジュール沿ってに進めると、本当に、寝てほしい時間に双子が同時に眠るようになり、そろそろ起きる頃だな、という時間に自然と双子が同時に目覚めるようになりました。
写真は生後6ヶ月頃の睡眠時間の記録です。
うちの双子は睡眠時間が短めだったので、朝は6時には起きちゃうし、夜は20時睡眠がデフォでしたが、3回のお昼寝(朝寝・昼寝・夕寝)のタイミングも含め、2人の寝る・起きるの時間がおおよそでそろっているのがおわかりいただけるかと思います。
この経験を活かして、第3子出産の時は、退院して産後すぐからジーナ式を導入しました。
可能な範囲でジーナ式スケジュールに沿って、授乳・搾乳、お昼寝、遊び・・・と整えていくと、赤ちゃんが寝る時間も安定していき、1人目の時に出なかったのが嘘のように母乳量が維持できて、完全母乳で育てることができました。
双子が同じ時間にお昼寝してくれることは、ママの時間の確保のために双子育児にとってマスト!
ジーナ式を導入してみて、スケジュールが一度軌道に乗ると、それが赤ちゃんにとってもストレスが少ないようで、赤ちゃんも泣くことが減りました。
もし泣いていても、そろそろお昼寝の時間が近いから眠くて泣いているんだな、とか、そろそろ授乳の時間だからおっぱいがほしいのね、とかといったように、泣いている理由がわかるようになり、ママ側のストレスも減りました。
このように、ママと赤ちゃんの時間感覚が一致するので、買い物やお出かけ等のちょっとしたことが、1日のスケジュールに組み込みやすくなりました。
ジーナ式を知れたおかげで、赤ちゃんもママもハッピーになれたと思います。
【赤ちゃんがよく眠るジーナ式って?】まとめ
以上、巷で話題の育児メソッド、ジーナ式の紹介と我が家の3人の子どもたちの実践例でした。
正しい知識に則って赤ちゃんの生活リズムを整えていくことで、赤ちゃんは夜まとまって眠るようになり、ぐずることが減って、ママは頻回の授乳が抑えられ、母乳量も維持できるようになるメソッドです。
ジーナ式のおかげで双子同時ねんねもルーティン化できて、赤ちゃんとママ双方がゆったり穏やかに過ごすことができるようになりました。
赤ちゃんにも個性がありますし、また、上の子や下の子がいる場合の生活リズムの兼ね合いなど、合う合わないも生じてくるものかと思いますが、赤ちゃんの睡眠や授乳でトラブルを抱えている人に是非一度は試してみてほしい育児メソッドです。