『双子の子育て 〜多胎の赤ちゃんとその家族のために〜』(母子保健事業団、2013)は、元産科医と双子ママの保健師さん指導の書籍です。
双子(多胎)育児に関する内容がコンパクトにまとまっている薄めの書籍なので、さっと全容を把握したい人向けです。
- 双子(多胎)を妊娠した人
- 双子(多胎)の出産準備中の人
- 双子(多胎)を育児中の人
- 双子(多胎)の産院の選び方
- 単胎・多胎の分娩週数の分布
- 双子(多胎)妊娠中の過ごし方
- 双子(多胎)の早産予防
- 双子(多胎)出産準備
- 双子(多胎)の分娩方法
- 双子(多胎)が小さく生まれた場合の対応
- 双子の発育曲線
- 双子の同時授乳の方法
- 早く生まれた双子(多胎)の修正月齢の考え方
- 双子(多胎)のお風呂の入れ方
- 双子(多胎)の睡眠時間のそろえ方
- 双子(多胎)ママ仲間の作り方
- 双子(多胎)ママ達の育児アイデア
【双子の子育て 〜多胎の赤ちゃんとその家族のために〜】概要
- ジャンル: 育児書
- サブジャンル: 双子・多胎
- ページ数: 72ページ
- 読みやすさ: ★★★★☆
- おすすめ度: ★★★☆☆
この本は、双子や多胎児を妊娠したママとその家族に向けて書かれていて、
- 【マタニティライフ編】
- 【出産〜退院編】
- 【出産〜退院編】
- 【暮らし編】
と、妊娠・出産・育児までがコンパクトにまとめられた内容となっています。
フルカラーでイラストも多用されていて、読みやすくわかりやすいです。
分厚い育児書が多い中、72ページと薄いので、双子(多胎)育児の全容をさっと把握したい人向けです。
「多胎」と書名に入ってはいますが、三つ子以上に関する情報はほとんど書かれておらず、ほぼほぼ双子に関する内容です。
コンパクトながらも、巻頭に別紙折り込みで「妊娠中のお母さんと赤ちゃんの変化」を双子の場合と単胎の場合とを比較して週数ごとに図解してあったり、巻末に「すくすくふたご子育てカレンダー」と題して双子用の育児記録メモの雛形がついていたり、そつがない感じです。
今では育児記録はアプリ派!とうい人も多いと思うけど、双子の情報を並べて記録したい!という手書き派にはイイかも。
【双子の子育て 〜多胎の赤ちゃんとその家族のために〜】レビュー
イラスト豊富でフルカラーで、読んでいて楽しい本です。
内容が非常にコンパクトなので、20分もあればささっと読めてしまうでしょう。
読んでいてほっこりする双子ママからのメッセージや体験談もたくさん。
双子が3歳になった今では、この本に載っている双子・三つ子の行動は、あるあるすぎてもう“わかりみ”しかないです(笑)。
また、本書指導の1人である助産師の大岸弘子さんのコメントやメッセージが要所要所に出てくるのですが、実際に双子を妊娠・出産・育児された、しかも専門職の方なので、ナマの声が面白いし、胸に刺さります。
この本の中で私が特に参考になるなと思ったのは、【マタニティライフ編】に出てくる、
- 双子(多胎)を出産する「病院の選び方」(p.6)
- 双子(多胎)の「分娩方法の判断」(p.17)
の2点です。
双子を妊娠した時点で、ママはいわゆる普通の妊娠・普通の出産というものを諦めなければいけない場合がある、という覚悟が必要になります。
どこで、どう産むのか、というのはママにとって大きな決断となりますからね。
多胎妊娠の場合、次のような点を参考に病院を選ぶとよいと思います。
『双子の子育て 〜多胎の赤ちゃんとその家族のために〜』(2013), p.6
- 最低2人の産婦人科医のいる病院。(中略)
- 小児科医と連携している病院。(中略)
- NICU(新生児集中治療室)が併設されている病院だとさらに安心ですが、ない場合でも、日本では妊娠中の経過によって設備の整った病院を紹介してくれるシステムがあります。
私も多胎妊娠でなければ、マタニティ・ヨガとか、マタニティ・スイミングとか、いろいろやってみたかったなぁ・・・なんて(遠い目)。
そして、
- 「単胎・多胎別の分娩週数の分布」(p.7)
- 「男女別の双子の発育曲線」(pp.22-25)
が載っていたのも参考になりました。
母子手帳や一般の育児書には、大体単胎児のデータしか載せられていないので、多くの場合早く・小さく生まれる双子の数値上のデータがあるのは大変参考になりました。
うちの双子は38週で生まれたけど、ここまでもつのは多胎妊娠ではめずらしい方なんだな、っていうことがデータと照らし合わせてわかったよ。
その他、双子(多胎)の早産の予防について(妊娠)や、その場合の対応や修正月齢の考え方(出産)、双子のお風呂の入れ方や睡眠時間のそろえ方(育児)など、双子(多胎)の妊娠・出産・育児(暮らし)それぞれの段階について役立つ情報がも盛り沢山です。
ページ数が少ない分、それぞれの項目に当てられている紙面は少しずつなので、もっと詳しく知りたい!という人にとっては、ちょっと内容的に物足りないと感じてしまうかも?
また、2013年発行の書籍なので、いかんせん内容が古いのが否めないのですが、参考にできるところは参考にして、うまく活用すればいいかなと思います。
巻末資料の子育て制度なんかは、最新のものをお住まいの市区町村で参照された方が良いかもしれません。